日曜の朝は親子で音楽を聴こう
9月15日、秋の爽やかな風が気持ち良いこの日、日曜日の朝にもかかわらず、朝から親子連れのお客さんが次々と訪れる場所がありました。埼玉県にある子育て支援センターです。実はこの日、私たちパフォーマンスバンク主催の音楽イベントが開かれていました!このイベントは0~3歳のお子さんとそのご家族の方に向けた生演奏コンサート。年に数回開かれるこのイベントは、毎回多くの親子連れのお客さんで賑わいます。この日も、朝10時の開場に合わせて次々とお客さんが集まり、わずか30分で会場は満杯に。普段通われている方だけでなく、こちらのセンターは初めてという方もたくさん来てくださいました!
さて、この日の出演はサックスの四重奏、高野紗希サックス四重奏団の皆さんです。
お仕事との両立で訪問演奏を続けてきた四重奏団さん。学生時代に吹奏楽団でサックスを演奏していたOB、OGでバンドを結成したそうです。普段は高齢者施設での訪問演奏がほとんどということですが、この日はプログラムを一変させ、子どもたちがワクワクする曲をそろえて来てくださいました。
季節の変化を音楽と
ちなみに私は、今年の6月に開催させていただいた父の日コンサートでこちらのセンターに一度おじゃましているので、この日は2回目の訪問。前回は夏の始まりに合わせ、海をテーマにした手づくりの飾りで天井や壁一面が装飾され、何とも涼しげでしたが、この日は装いをがらりと変え、紅葉した木々やコスモスの花、とんぼの飾りが会場を彩っていました。季節の変化を感じながら生演奏を楽しむことができるのも、こちらのセンターの魅力の一つ。さらにこの日は窓の外にすっきりとした晴れ間が広がり、絶好のコンサート日和となりました。
思い思いの場所で聴く
10:30いよいよ開演です!お客さんには思い思いの場所に座っていただき、拍手で四重奏団さんをお迎えします。
お兄さん、お姉さんたちが持っているキラキラした金色の楽器、こちらはサックスという楽器です。色はトランペットやホルンなどの金管楽器と同じですが、実はフルートやクラリネットなどと同じ木管楽器の一つです。さあ、その華やかな見た目も気になるところですが、そうなると音色が一層楽しみになります。
個性を聴き分ける
四重奏団さんはサックス4本からなるカルテット。4本ともすべて違う種類のサックスなので、奏でる音色も少しずつ違います。写真左手の方からソプラノサックス、テナーサックス、バリトンサックス、アルトサックス。それぞれ鳴る音域に違いがあります。4本集まればサックスだけで低音から高音までカバーでき、分厚いサウンドをつくりだせるのが強みです。
この日はそれぞれのサックスの違いを確かめていただけるようにと、1本ずつ紹介をしてくださることに。
まずソプラノサックス。4種類の中では最も高音域を担当することから、メロディーラインを任されることの多いサックスです。音だけではなく、大きさも特徴の一つ。コンパクトなのでこんなふうに片手で簡単に持ち上げられてしまいます。
お次はこちらのアルトサックス。ソプラノサックスの下の音域を担当しています。最も定番と言えるサックスで、出番も多いです。ソプラノサックスより一回り大きいですが、そこまで大きな差は感じられませんね。何より、クラシックからジャズまで幅広い活躍フィールドが魅力でしょう!
そして、アルトサックスと並んで高い存在感を持つのが、こちらのテナーサックスです。アルトサックスの下の中音域を担当しています。音色に特徴があり、男性的な深みのある音色を持っているため、ソロで吹いても演奏映えするサックスです。
最後は、こちらのバリトンサックス。4種類の中では最も低い音域を担当していて、バンドを支える伴奏はもちろん、ソロを任されることも多いマルチプレイヤーです。ソプラノサックスと比べるとかなり大きいですね。重さだけでなく、管が長いため肺活量が多く必要とされることも特徴です。
このように、同じサックスでも種類によって個性があるのです。この個性が合わさると、どんな音色になるのでしょうか、、、では実際に4本合わせて演奏する様子をご覧いただきましょう。
華やかなだけでなく、優しさを感じる独特な音色ですね。4本の音色が重なって、とても美しい響きがします。今日が初めての生演奏コンサートだというお子さんもいらっしゃいましたが、サックスの音色に興味を持ってくれたのでしょうか。静かに四重奏の響きに耳を傾ける姿が印象的でした。
アンパンマンと一緒に
ご紹介が遅くなりました!こちらはセンターの職員さんがつくってくださったプログラムです。かわいいトトロのお腹の上には本日の曲目が乗っていますね。そして、プログラムの左上にはアンパンマンの姿が。というのも、最後から2曲目に演奏されるサンサン体操はお子さんたちから大人気。6月のコンサートで演奏されたときには、すでに踊りをマスターしているお子さんもいたほどです。職員さんが前に立って踊りのお手本をしてくださるので、今頑張って練習しています!というお子さんも安心。サックスバージョンの伴奏に合わせて踊るのはなかなか貴重な体験ではないでしょうか。
大人も楽しめます
そして、この日のプログラムはお子さんが楽しめるのはもちろん、お父さん、お母さんが聴いて楽しめる要素があるのも見逃せません。学生時代に吹奏楽で演奏されていた方にとっては、きっと懐かしさを感じる曲ではないでしょうか。注目はそれぞれのサックスのソロ。かっこいいサックスの音色に酔いしれてください。
アンコールに応えて、演奏していただいたのは米津玄師作詞・作曲の「パプリカ」。Foorinの振り付けを見事に再現するお子さんもいました。聴く人一人ひとりの未来に向かって背中を押してくれるような、元気が出る曲ですね。
そして何より、45分間のコンサートが終わる頃には四重奏団さんも、お客さんもすっかりコンサートを満喫。私も朝からすがすがしい気持ちになりました。終演後は四重奏団さんとお客さんが一緒に写真を撮ったり、お話を楽しんだりしてして過ごされていました。こちらのセンターに初めて来られた方、2回目以降の方、そして職員の方々、初対面でも音楽を通して一体となれる生演奏コンサート。これからも、コンサートを通じて多くの人がつながっていけたらと思っています。ぜひ、日曜の朝は親子で一緒に音楽に触れてみてはいかがでしょうか?
次回12月のコンサートもどうぞお楽しみに!
本日のプログラム
小さな世界
ファミリーアニメコレクション
パート・オブ・ユア・ワールド
サンサン体操
宝島
「となりのトトロ」メドレー
アンコール:パプリカ