こんにちは!コーディネーター兼奏者の海山です。
2月、全国各地で音楽ワークショップを開催されている『おとみっく』の坂本さんから弊団体コーディネーター向けに参加型に特化した曲のアプローチ法について伝授していただきました!
その様子をみなさまにお届けします♬
講師:坂本夏樹 秋田県出身。4 歳よりピアノを始める。東京音楽を経て同大学大学院鍵盤楽器研究領域修了。演奏技術の向上と共にロンドン、ポルトガルを始めとする様々な音楽教育、音楽ワークショップの手法を学ぶ。ピティナ・ピアノコンペティション全国決勝大会入選。秋田県青少年音楽コンクール第1位最優秀賞受賞。ペルージャ音楽祭マスタークラス修了、現在はピアニストとして活動する傍ら、東京文化会館ワークショップ・リーダー、東京音楽大学助手、幼稚園での音楽講師、発達障害をもつ子供たちへの療育、ピアノ講師として 0 歳から大人まで幅広い年齢に音楽を届けている。
「おとみっく」インタビューはこちら→https://p-bank.org/entry/2019/08/25/♫%e3%80%80【音楽に触れる】%ef%bd%9eおとみっくインタビュー
参加型コンサート?
老人ホームや幼稚園で演奏しているとき、お客さんがただ聴いてるだけの一方通行コンサートになっていませんか?
お客さんの表情は退屈そうじゃないですか?
せっかく集まっていただいたお客さんに、もっと曲の魅力を伝えたい!楽しんで帰ってもらいたい!そう思ったことありませんか?
是非、プログラムに1曲でもいいのでお客さんも参加できる曲を入れましょう!
でも参加型ってどうやるの?
はい、そうですよね。私も知らなかったです。今回坂本さんに教えていただいたある手法を教えていただいてから、格段に曲に対する見方も変わりお客さんに楽しんでもらう方法が分かりました!
その手法はというと・・・
「エントリーポイント&アクティビティ」
です・・・!!!
これはお客さんに曲の楽しみ方や魅力を伝えるうえで最適の手法です。
おとみっくさんに探し方や注意点を教えていただいたので、実際に前回で主題されたサンサーンスの動物の謝肉祭より『化石』の例を元にご紹介しますね♩
①曲の要素(エントリーポイント)探し
Qエントリーポイントとは?
曲の特徴的な部分、魅力的な部分です。
Qエントリーポイントを組み立てる上でのプロセスは?
例えば:老人ホーム、50人くらいの前で演奏する前提ならば、具体的に何に重きを置いてエントリーポイントを組み込むのでしょうか?参考にさせていただきたいです。
エントリーポイントについては答えはなくて、どちらかというと演奏者がどの部分を大切にしているか、面白いと感じているかが大事だと思っています。
それを伝えるためのワークは対象者に合わせた難易度である必要があると思います。
高齢者50人の場合、身体的な動きはどこまで可能か。普段どのような活動をしていてどのようなことに興味がある集団なのか、どのくらいの長さなら記憶できるのか。グループワークをするならばフォローの大人が何人必要か。など多方面から考える必要があります。
Q初めて演奏会にエントリーポイントを取り入れる際に、演奏会に取り入れやすい曲やエントリーポイントがありましたら、教えてください。
構成が単純な曲、同じことを繰り返す曲は取り入れやすいと思います。
Q悪いエントリーポイントは?
音楽の形式やフレーズに関係なく単なる体操や合いの手になってしまうのはよくないと思っています。
身体的な動きや、簡単なゲームなどを通して、楽曲理解(参加者が学んだと感じなくても)につながるポイントがあることが大切です。
■コーディネーターからの『化石』のエントリーポイント
・作曲理由・背景が面白い
・冒頭のメロディーが骨の音に聞こえる
・冒頭のメロディーの裏にある2拍目がかなり特徴的!
②アクティビティの種類
次は上がった要素をもとに楽譜を見ながら、実際にお客さんに楽曲を体験してもらうアクティビティを考えます!
Qアクティビティにはどんな種類があるの?
大きく4つの種類があります。
(1) 参加者による創作・即興
・主題を自由に変奏する
・リズム打ちをして楽曲の序曲にする
・自分たちでオーケストレーションして演奏してもらう etc.
(2) 音楽要素を体験する
・楽器の特殊奏法とその音色を聴いておく
・音や旋律の重なりの効果を聴いておく
・楽曲展開の中心的なリズムを知っておく etc.
(3) 構造や構成の理解
・主題動機の配分の可能性を確認しておく
・変奏のプロセスを確認しておく
・声部の組み合わせを確認しておく etc.
(4) 楽曲の背景の理解
・題名や歌詞から過去の経験を想起してみる
・題名や歌詞について自分の感じることを言葉にしてみる
・作品成立の背景を学んで作曲者の心情を想像してみる etc.
Qアクティビティを選ぶうえで、注意点はありますか?
〇演奏場所、客層にふさわしいアクティビティを選ぶ
〇複数の要点を集めず、一つに絞る
■私たちは、『冒頭のメロディーの裏にある2拍目がかなり特徴的!』という要素をアレンジしてアクティビティを考えました。
③実践
1)まずはじめに私たちはタイトルの『化石』から連想されるものを3つ選びました!
私たちはアンモナイト、ヒトデ、魚に決めました。
(楊さんがホワイトボードに化石の絵を描いてくれました!🖊)
2)次にこの3つを真似たポーズを決めてお客さんに教えます!
(これは、魚のポーズです(笑))
3)そして曲に合わせながら、楊さんのホワイトボードの指示に合わせポーズを取ります。
瞬時に反応していかなければならないので、お客さんも達成感と一体感を感じられるアクティビティになりました!👏
実際の動画はこちら☞https://photos.app.goo.gl/CuZvPaHvSyCjM38E9
4)このアクティビティを行ったあと、最後に一曲通して演奏することでお客さんもはじめは全く知らなかった曲を楽しんで聞くことができます。
まとめ
今回の講座で、コーディネーターの方たちも理解を深めることができました!
感想はこちら☞
◆Q&A会の中でエントリーポイントを見つけ、コンサートにどう活かすかというところまで考えられたので、実際のコンサートを思い浮かべながらエントリーポイントについて理解を深めることができました。
◇曲を聴く際にエントリーポイントということを意識して聴きたいと思います。また演奏する際に、実際にエントリーポイントを試していければと思います。
◆単なるレクリエーションではなく、その音楽らしさを伝えることにより音楽を楽しんでいただける機会の提供ができるという点の再認識。また音楽家だからこそ気づける点を生かせたら良いなと思いました。
パフォーマンスバンクでも、エントリーポイントを取り入れたコンサートを開催する予定です!
みなさんもぜひエントリーポイントを探してコンサートに取り入れてみてください!
きっとお客さんの反応も変わります!!
坂本さん、ありがとうございました!
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