演奏する人と聴く人がお互いに安心して生演奏を楽しめるように、私たちパフォーマンスバンクではオンラインでのコンサートにも力を入れています。
2月19日に文京区の施設で開催されたコンサートでは、オンラインを活用し会場から演奏が生配信されました。会場内は無観客ですが、複数の拠点から多くの参加者が集まりました。オンライン上に映った参加者の方々の笑顔は、会場関係者や住民の方々によって守られてきた地域のつながりの大切さを教えてくれました。
演奏者はサルーテ音楽隊のお二人。ソプラノ歌手の井上千華さん、ピアニストの斎藤恵子さんです。
季節の移り変わりを感じるような黄色と緑の爽やかな衣装のお二人。感染症対策のため、演奏時間は15分に短縮し、フェイスシールドやマスクを着用しての演奏です。
配信元と配信先の会場に機材の準備などをご協力いただき、開演時間の30分ほど前から次々と接続テストが行われました。10会場、100名ほどがオンラインで集まりました。
演奏曲は全5曲(ページ下部に記載)。オペラ「ジャンニ・スキッキ」より私のお父さん、映画「千と千尋の神隠し」よりいのちの名前、エリーゼのために(ベートーヴェン)など。短い時間でいろいろなジャンルの曲に親しめるように工夫されたプログラムでした。
参加者の皆さんはもともと音楽が好きな方が多く、普段から演奏を聴く機会が多いとのこと。画面越しに見えたのは、曲名を聞いて嬉しそうに笑顔を見せる様子や、じっと演奏に聞き入る様子でした。演奏後には参加者から「ありがとう」の言葉も。演奏者のお二人は笑顔で手を振ったり、「聴いてくれてありがとうございます」と感謝の言葉をかけたりしていました。
コロナ禍以前は実際に観客を入れてコンサートを開催していたこちらの施設。会場関係者の方にお話をお聞きすると、コンサートには毎回地域住民の方々が多く集まり、多世代を通しての貴重な交流の場になっていたと、再開できない残念さを滲ませました。
コロナ禍では会場を無観客にしながらも、オンライン活用により多くの参加者を巻き込んで定期的に開催されています。地域にある交流の場を守ろうという思いが形を変えて実現されていると感じます。
オンライン開催は、接続環境が整えば参加者が場所を選ばず生演奏を視聴できるため、リアルタイムで大勢が一つの音楽を共有できるのが強み。100名ほどが参加した今回のコンサートは、オンラインによる観客動員数の強みが発揮されたと言えるでしょう。
対面とオンラインの環境の違いこそあれど、共通して感じるのは生演奏を通じた人のつながりです。演奏者と観客のつながりはもちろんですが、観客同士が一つの音楽を通じて楽しさや感動を共有することで生まれる一体感は貴重なつながり。
地域のつながりの希薄化を受けてコミュニティの再生が課題となる今日、地域交流の拠点としての生演奏の役割をあらためて感じるコンサートでした。
【プログラム】
♪「四季」より 花 (滝 廉太郎)
♪映画「リトル・マーメイド」より パート・オブ・ユア・ワールド
♪オペラ「ジャンニ・スキッキ」より 私の大好きなお父さん
♪エリーゼのために (ベートーヴェン)
♪映画「千と千尋の神隠し」より いのちの名前
生演奏を呼んでみませんか?
パフォーマンスバンクではコロナ禍においても音楽の灯をを絶やさぬよう、引き続き様々な場所への生演奏による出張コンサートをお届けしています。
基本的な感染症対策に加え、演奏者と観客との距離を十分に確保することで、安心安全なコンサートを開催することができます。
また、ご要望に応じて、飛沫リスクの少ない弦楽器や打楽器などのコンサートもご提案させて頂いております。
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