東京ボランティア・市民活動センターが主催する『NPO・ボランティアグループでボランティア活動したい人のためのガイダンス』に登壇させて頂きました。
途中で登壇者と参加者の交流の時間があったことや、会の中でも活発に質問が寄せられたこともあり、いざボランティア活動に踏み出そうとする人たちの気持ちを改めて知ることができました。また、一緒に登壇した他の2団体の活動も大変興味深く、是非とも今回のご縁を活かしてコラボイベントなど実施してみたいところです。
登壇資料や頂いたご質問なども思い出しながら、改めてパフォーマンスバンクの活動に参加する方法をお話したいと思います。
パフォーマンスバンクの活動への参加方法
音楽スキルの有無/費やすことのできる時間の大小に応じて、様々な参加窓口をご用意しております。
一番簡単に参加できるのが「1Dayボランティア」。その名の通り、コンサート当日のみの1回限りのボランティアです。
主な役割は、訪問コンサートの観客参加コーナーで前に立って音頭を取ること。
パフォーマンスバンクが介護施設等にお届けするコンサートは、演奏者と観客の距離の近さを活かして「双方向型」でお届けすることを心がけています。演奏に合わせて一緒に手拍子をする/楽器演奏をバックに参加者みんなで歌う、といったものが双方向型プログラムの定番なのですが、こういった場面では「せーの」と前に立つ人がいるだけで盛り上がりが段違いなのです。
活動参加を通じての変化
演奏者やスタッフからの感想を集めてみました。
私自身、演奏者としてもスタッフとしても多くのコンサートに関わってきますが、どの感想もうなずくことばかり。
「今まで気にすることもなかったお年寄りのことも気にかけるようになりました」というのも嬉しい感想です。
人間、知らないものにはなかなか優しくなれません。最近は核家族化が進んでシニア世代との交流の場があまり無いまま大人になる人も少なくないせいか、パフォーマンスバンクの活動で老人ホームを訪問し、体の弱ったお年寄りの姿にショックを受けるという人もいます。
ただ、そういう姿を見た人は、きっと次にお年寄りと接するときに、今までよりも優しくなれるはず。音楽を媒介にして、これまで接点の薄かったコミュニティ同士をつなぐことも、パフォーマンスバンクの大切な使命だと思っています。
活動を通じて嬉しかったこと/大変だったこと
「音を楽しむ」と書いて「音楽」。パフォーマンスバンクは音楽の楽しさを追求する団体なので、基本的に活動は楽しいことばかりです(活動にがっつり関わるコーディネーターの皆さんには、今後の成長も期待して120%くらいの負荷を敢えてかけることもあります)。
ただ、活動の中で無力さを感じることはたまにあります。
このガイダンスの直前に、台風15号が首都圏に上陸し、特に千葉が大きな被害を受けました。東日本大震災の時にも感じたことですが、こういった緊急事態の時には音楽どころではなく、私たちのように音楽を生業とする立場では無力さを感じます。
しかしながら、確かに音楽は緊急事態にすぐに役に立つことは少ないかも知れませんが、もう少し広い目線で見ればきっと音楽だからこそできることがあると信じています。
最近、一緒に仕事に取り組む千葉を拠点としている音楽家の方から、こんな話を聞きました。
その音楽家の方は、東日本大震災の時に居ても立っても居られなくなり、震災のすぐ後に楽器を持って被災地に飛び込んだそうです。しかし震災の被害はすさまじく、音楽を楽しんでもらえるような状況ではない。「こんな時に楽器を持ってくるなんてバカなんじゃないのか?」といったことも言われたそうです。
しかしその音楽家の方は、大人たちが慌ただしく復旧作業にあたっている傍で、不安そうな表情で時間を持て余している子ども達が目につき、子ども達を集めて「となりのトトロ」などの演奏をしてあげました。その時の子ども達の笑顔が忘れられないと言います。
さらに嬉しかったのが、そこで演奏を聴いた子ども達が、今回の台風で千葉が大変な状況になっていることを知り応援として「となりのトトロ」を歌う動画が、その音楽家の方に送られてきたそうです。
震災直後は音楽が子ども達の心を癒やし、子ども達はその音楽の思い出があったからこそ、今回の台風のニュースを聞いて遠い千葉のことに想いを馳せることができた。人の縁や優しさを育む音楽の力、その他にもあるかも知れない音楽の力、それを追求するのが私たちパフォーマンスバンクです。
音楽で新たな価値を創ることに挑戦したい方は、ぜひ一緒に活動に取り組みましょう♪