【生演奏への期待を込めて】音楽療法講演会 – 音楽が最期の贈り物になるとき(佐藤由美子さん)

代表の鈴木です。本日は音楽療法士 佐藤由美子さんの講演会に行ってきました。

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佐藤さんは、アメリカを中心に活躍する音楽療法士で、終末医療における音楽療法の実践を専門とされている方です。

バフォーマンスバンクでは介護施設への訪問コンサートを多数手がけていますが、演奏を聴いて涙する方の姿や、演奏に合わせて大声で歌を歌うイキイキとしたお客様の姿を目にすることがたくさんあり、音楽の持つ偉大な力を常々感じています。この音楽の不思議な力を紐解くため、音楽療法には以前より興味があって少し独学でかじったこともあったのですが、今回は事務所を置く船橋市での講演会の情報が目についたので、足を運んでみることにしました。

<学びのまとめ>
1.音楽は人と人とをつなぐ
2.音楽療法には責任が伴う(=医療行為として目的を持って行われるもの)
3.楽しませることに注目するのもアリ

1.音楽は人と人とをつなぐ
会の冒頭で、佐藤さんからあった言葉です。パフォーマンスバンクの理念「生演奏の楽しさをすべての人に〜音楽で心と心をつなぐ〜」にも通ずるところがあり、一気に親近感を持った瞬間でした。

佐藤さんが音楽の力を感じた初めてのケースとして、アメリカでの大学1年の時のボランティア活動のことが紹介されました。授業の一環で近所のデイサービスにボランティア活動に行かねばならず、言葉も通じない環境で何をやろうか迷った挙句に、たまたまその場にあったピアノを弾いてみたら、その場の空気が一気に変わったそうです。「言葉は通じなくても音楽で心が通った」と佐藤さんは感じられたそう。

これに似た経験は私も何度もしてきました。原点にあるのは高校の吹奏楽部での特別支援学校(当時は養護学校という名称)への訪問演奏。自分たちの演奏を間近で聴いて熱狂する生徒達の姿を見て、音楽の持つ偉大な力を感じました。これがパフォーマンスバンクの活動の原点にあります。

2.音楽療法には責任が伴う(=医療行為として目的を持って行われるもの)
佐藤さんが終末医療における音楽療法の専門家ということもあり、講演会中に紹介された事例の多くにおいて、人生の最終段階にある人たちの姿が扱われました。そんな姿を見たこともあって、音楽療法は気軽に使ってはいけないものなのかも、と思いました。

音楽療法は治療や苦痛の緩和などの「目的」を持って行われるもの。だとすると、その患者の人生に寄り添う覚悟を持って使わねばなりません。

しかし、これはあくまで終末医療での利用の話であり、佐藤さんのお話の中では「音楽療法は人生すべての段階で人々をサポートする」というお話もありました。人生の最後を安らかに迎えるためでなく、日々の生活をイキイキと過ごすために行われる音楽療法であれば、もっと気軽に使えるケースもあるのかも知れません。ここはもっと勉強が必要なポイントだと思っています。

3.楽しませることに注目するのもアリ
佐藤さんの行なっている音楽療法は「ライフレビュー(音楽回想法)」という方法で、患者個々に応じた懐メロで昔の記憶を想起させつつ、さらにセラピーの要素で内省をさせる手法を用いているそうです。

これをパフォーマンスバンクでの訪問演奏にも活用できないかと最後に質問をしてみたのですが、高齢者に向けて音楽を届ける活動においては必ずしもライフレビューが必要なわけではなく、音楽を使って楽しい時間を過ごしてもらうことに注目した手法もあるようです。

どちらに舵を切るにしても、「懐メロで昔の記憶を想起させる」というのは、おそらく計算して活用すべき手法と思われます。データは集まりつつありますが、介護施設でどんな曲がウケるのかを更に深掘りしていく必要がありそうです。

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