事務局+社会人コーディネーターによる座談会 後編(2018年11月)

ーありがとうございました。次に、この活動をするに当たって悩んだこと、そしてそれをどう乗り越えてきたかをお伺いしたいです。

 

伊藤さん:うーん。悩んではいないんですけど、仕事をしながら時間を作って活動しなきゃいけないっていうのはすごく大変だったなって。特に前の仕事は夜勤があって、仕事中こっそり演奏会ポスター作ったり、奏者さんなどのメール確認したりしてました。乗り越えた方法って言ったら良くないですけど。

 

飯島さん:伊藤くん転職したじゃん。そこで時間を手に入れたんじゃないの?

 

伊藤さん:今もそれなりに忙しいです(笑)でも、1番大きかったのは仕事辞められたことかな。人生が変わった。

 

―お忙しいのにも関わらず、それでも活動を続ける理由があるんですか?

 

伊藤さん:1つの業界の世界だけ見ちゃうと頭が固まってしまう気がして。他の業界の人や学生の意見を聞くと、素に戻るっていうか。そういう意味で続けたいなっていうのはありますね。

 

Aさん:私は、部署やプロジェクトが上手く進まなかった時ですかね。でも、現状報告しなくても事務局の方が気にかけてくださって、そのサポートで進めたのはあります。後は仕事以外の時間をパフォーマンスバンクの時間に充てるのは、中々…。

 

―お仕事との両立大変ですよね。

 

Aさん:そうですね。コーディネートのことだけだったらいいんですけど、部署やプロジェクトなど、やりたいという気持ちと自分のタスク管理の出来なさの狭間にある…。

 

伊藤さん:けどこれ、物事の整理の仕方が上手くなったような気もします。そういう意味では、やっていくうちに自分で解決方法を考えられたりしたかもしれないです。

 

飯島さん:あと、Aさんは表情が明るくなったよね?

 

Aさん:それは前の会社を辞めたから(笑)ただ、企画をして、その目標に向かって進んでいくのが好きで、何かに打ち込んでいるときは自分が生き生きしてるっていうのがあって。なので、今好きなことしてるなーっていうので明るくなったのかもしれないです。

 

代表:Aさんとか結構苦労かけてるなぁと思うんだけど、それが意外と出てこなくて。プロジェクトも大変なものばかり任せてしまって。

 

Aさん:リモートワークで進めるっていうのが難しかったですね。一緒にやってる人それぞれの時間のかけられ方とかも把握しながらやりたいつもりではあったんですけど、なかなか。なので、もっと頭使いながらやりたいです。

 

―そうだったんですね…ありがとうございます。では、パフォーマンスバンクに入って変わったこと、変わらないでおきたいことはありますか?

 

代表:人の気持ちを考えるようになったかなとは思います。それぞれの人が何を成したくてここにいるのか、何を強みとしているのか、気を配って話を振ったりふるようになったかな、と。反対に、空気を読まないようにすることは変わらないでおきたいです。最近、うちの団体の真似をしたような団体が出始めていて、気にならないと言えば嘘になるんですが、気にしちゃうと我々が逆に真似のようになってしまうのが嫌だなって。ひらめいたら周りを気にせず突き進む姿勢は、変えたくないです。

 

UKさん:音楽をやっている様々な分野の知り合いができたことです。自分はバンド出身なのですが、バンド以外の形態の演奏をるるるんファミリー(コーディネーターで構成された演奏団体)でできたりするのが面白いなーって。音楽が好きということは変わらないでおきたいです。そこを信念に社会貢献していきたいです。

 

瀧本さん:それまで受動的に生きてきたんですけど、パフォーマンスバンクに入ってどんどんチャレンジしたい気持ちが生まれてきました。色んな視点で考えられるようになって、次こういうことやっていきたいなって計画的に考えられるようになったかなって。変わらないでおきたいのは、人の気持ちを考えることです。自分の意見を出しつつも、人の表情や態度から色々汲み取ってやってくことは大切にしたいです。

 

伊藤さん:今まで気にすることもなかったお年寄りや子供のことも気にかけるようになりました。老人ホームや保育園に行くことも多いので、優しくなれた気がする。後、前に進んでいくというパフォーマンスバンクの姿勢は変わらないでほしいです。

 

飯島さん:伊藤くんと被るんだけど、名刺とか配るのに色んな人と会うようになったことかな。会社だけやっているとだいたい同じ業界の人になってしまうから。これがなかったら狭すぎて怖い。パフォーマンスバンクに入ってなかったら話すのも上手くならなかったんじゃないかな。変わりたくないことは、興味を失わないこと。この活動は音楽に対しての深い興味から成り立っているものなので、年老いてそれを失うのがすごく怖い。あと、チャレンジすること。チャレンジしないことのリスクってすごく大きいんですよ。「何かがあるからできないかもしれない」と考えるのではなく、何かが解決するものであればすぐやる。そこで、どうやってハードルを乗り越えていこうっていう考えが大切だなって。チャレンジする姿勢でジャンプアップしていけばいいって思ってます。

 

Aさん:やっぱり異業種の人と関わることですね。この団体で、好奇心を持った色んな方々と話せる機会ができたのが大きいです。反対に、学生の新鮮な意見に乗っかってサポートする姿勢は、変えないでおきたいです。そこでの学びも多くあります。後、この歳になると誰も教えてくれないことを学べることも貴重だなと思っています。

 

―これが最後の質問になります。今後パフォーマンスバンクでどうしていきたいか、どうなっていくのかということをお伺いしたいです。

 

代表:理念のところをもっと追求していきたいですね。パフォーマンスバンクは価値を提供する人で、活動のコアになるのは奏者だと話していますが、この活動で一番価値を受ける人って観客なんですよね。そこをもっと追求していきたくて。老人ホームに訪問演奏に行って自分たちの演奏で泣いてくれる方を見て、最初は「こんなに喜んでくれるんだ」と気持ちよかったんですけど、途中から気持ち悪くなったんです。なんで俺のようなアマチュアな演奏で喜んでくれるんだって。話を聞いてみると「普段めちゃくちゃ暇だ」って言うんですね。自由に外も出れない。エンタテインメントもほとんどない。ずっとテレビを見て過ごしている。だからあなたみたいな人が来てくれて生演奏してくれて、本当に嬉しい、と。こんなに発展している日本で、こんな暇な人たちいるのっていうのは怒りにも似た感覚でした。そういう人たちに楽しさを届けていきたいっていうのは思います。あとは障碍者支援施設でのお祭りを手伝ったとき、本当に社会から隔離されている場所ってあるんだなって痛烈に感じたんですね。そういったところで音楽を使ってお祭りをやると自然と人が集まってきて、普段は興味を持たない場所に足を運んでもらえる、そしてそこで普段関りをもたない人たちと一緒になっていると何となく理解できたような気持ちになれる。それは音楽の持つ大きな力だと思うので、そういうところをもっと活用していきたいですね。なので、今我々が音楽を届けられていないところでコンサートをやるべき場所にもっと活動を届けていきたいと思っています。

また、「パフォーマンスバンクオーケストラ」っていうのをやってみたいです。登録演奏者とコーディネーターで合唱付きオーケストラのようなものができたら面白いなと思います。

 

UKさん:音楽での社会貢献をできる限りずっと続けていきたいです。これからどんどん高齢化社会になっていく中で、閉鎖的な社会を音楽で変えていくことに携わりたいです。あと、個人的にはパフォーマンスバンクで音楽フェスをやってみたいなっていう思いがあります。

 

瀧本さん:訪問演奏活動を今後もより大事にしていきたいなって思います。今音楽療法を勉強しているのですが、今まで意識的にやっていなかったけれど音楽療法が絡んでるなということが結構あります。なので、もっとお客さんに楽しんでいただけることを音楽療法を通して探って、一回の訪問演奏をより濃くして、お客さんを呼び込んでいけるようにしたいです。

 

伊藤さん:もっとインターナショナルな演奏の場を設けていきたいです。今外資系の仕事をしていて英語を使う機会も多いので、そんな自分の強みを活かして活動の場を広げたいです。これから外国の方も増えていくと思うので。

 

飯島さん:もっと訪問演奏を深くやりたいです。病院とかホスピスとかの領域に活動の場を広げるために、その手前で我々の活動を認知してもらいたいですね。あと、僕は理念にもある「社会に風穴を空ける」ということにこだわりがあって、これから変えていきたい部分もあります。

 

Aさん:今奏者さん任せになってしまっているコンサートの内容の質を上げるための研究をして、底上げに携わっていきたいです。

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